病の起こる六つの因縁

「病の起こる六つの因縁」

1.四大不順(しだいふじゅん)

過労等で我々の身体の構成要素である、四大(地、水、火、風)が調和を失った時。


地大病-骨、筋肉の異常。髪、毛、爪、歯、皮膚、も含む。

水大病-血液の異常。

火大病-熱、体温の異常。

風大病-呼吸器官の異常。



2.飲食不節(おんじきふせつ)

飲食の不摂生。たとえば、刺激物は火大を増す。甘いものや冷たいものは水大を増す。

酸味が強いものは風大を増す。あぶらぎった肉は地大を増す、とされる。


(五味の五臓の関係)

酸味-すっぱい、肝(かん)の働きは増すが、脾(ひ)を損ずる。

苦味-にがい、心(しん)の働きは増すが、肺を損ずる。

辛味-からい、肺を増すが、肝(かん)を損ずる。

塩辛味-しおからい、腎(じん)を増すが、心を損ずる。

甘味-あまい、脾(ひ)を増すが、腎(じん)を損ずる。



3.座禅不調(さぜんふちょう)

乱れた生活を送ったり、座禅に際して(勤行、唱題のとき)壁や柱、椅子などによりかかったり、心が怠慢(たいまん)だったりすると、

魔が頼りを得て、背・骨節等に疼痛(とうつう)(ずきずきする痛み)を与える。

さしこみがひどく、筋肉、血管が硬直したり正常でなくなる。

心の乱れから生ずる病。

一般に治りにくい病とされる。



4.鬼神特便(きじんとくびん)

信心に疑いをもったり、邪念を生じたとき、鬼神が四大(地・水・火・風)、五臓(心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓)に入って病気となる。

但し、鬼はみだりに人を病にするのではなく、その人がヨコシマな心を持った時に病を起こす。



5.魔の所為(しょい)

鬼(鬼神)はただ身を病にして命を奪ったりもするが、心は侵さない。

ところが、魔は、人の心まで侵害して、邪念を起こさせ功徳までも奪う。


たとえば、信心に欲深な邪念を持ったり、名聞名利(みょうもんみょうり)を求めたりすると、その欲を叶えるものを魔が現し、(金銭欲や名誉欲を満たす出来事。)

それを喜んで受け入れたりすると、その心に入り込んで正信(しょうしん)を失わせ、精神的な病(精神分裂・頭破七分)となる。



6.業起故病(ごうきこびょう)

過去の宿業(しゅくごう)、今世の破戒(はかい)が、先世の業を動かして病(難病)となる。

医学によって完治することはできないが、正法の信心によって悪業を消滅することができれば治る。

以下は、過去世の罪業と病の因縁。


殺罪-肝臓や目の病。

飲酒の罪-心臓や口の病。

淫欲(いんよく)の罪-腎臓や耳の病。

妄語(もうご)の罪-脾臓や舌の病。

盗罪-肺臓や鼻の病。


以上、1.2.は医者や薬でも軽減出来るが、3.以下は、信心を正して錬磨しなければ完治は難しい。