※正しい宗教と信仰
・悪霊のたたりはあるのか
私たちの生命は永遠であり、「生」といい「死」といっても、それは同じ宇宙法界の生命体のなかにあって、
一個の生命体として生ずるときと、死して法界に冥伏（みょうふく）するときの違いがあるに過ぎません。
かつて、人々は不幸や災害があると、それが特別な霊魂（悪霊）によってもたらされたものと信じ、
悪霊を恐れるあまり、これを「神」としてまつり、そのたたりを鎮めようと考えました。
しかし、仏法では「因果律」が根底となって一切の人々の救済が説かれています。
すなわち、過去の行為が「因」となって「報い（結果）」をもたらすのです。
悪い因を作れば必ず悪い果報があり、善因には善果があるのですが、つい自分の「過去の因」を知らずに悪い結果を見ると、それをたたりと考えてしまうのでしょう。
たしかに、「死後の生命の状態」が、ときには生きている人に感応（かんのう）することもあり、
また故人の受けた十界（仏界・菩薩・縁覚・声聞・天・人・修羅・餓鬼・畜生・地獄界）
の業果が遺族などになんらかの影響を及ぼすこともありますが、それはあくまでも「因果応報」によるもので、
たたりや呪いとはまったく違うものであることを知るべきです。
そのほかにも、私たちの意識ではとうてい説明のできない不思議な現象はたくさんあるでしょうが、
それらのすべてを究めることは、凡夫の私たちにはとうてい不可能なことです。
できから、これらのものをむやみに恐れることは誤りであり、これらを悪用する低級な宗教や思想に惑わされることは自らの「悪業」を作ることになるのです。
私たちは、宇宙法界を貫く成仏の一法である「大ご本尊」を信仰することによってのみ、
自分自身はもとより、故人の苦しみを消滅して、ともどもに永遠の幸福を築きあげることができるのです。